October 3, 2023

デイリーアップデート Vol. 113 8月3日

本日も隔離措置の続くフィリピンの様子をお知らせいたします。まず初めに本日の感染者数ですが陽性感染者数106330名、死亡者数2104名、回復者数65821名となっています。1日の陽性報告数は3226名です。この土日は特に感染者数の増大が顕著で、週末の2日間で10000人以上の陽性が報告されその結果、本日月曜日の朝には既に10万人の累計陽性患者を数えることとなりました。8月2日(日)夜にもかかわらず大統領から8月4日以降のMECQすなわちロックダウンの厳格化を再度行うことが発表されました。この情報は今朝、NANGOKU LABOにも速報で流しています。

NANGOKU LABO

https://nangoku-labo.com/

速報

隔離厳格化 31日の決定覆す

それでは本日もいくつかのニュースをピックアップしてみたいと思います。

【Metro Manila】

  • 累計感染10万名越え、そして隔離強化へ

フィリピン中央政府は7月31日に期日を迎えたGCQに関して当初、医療専門家の意見を押し切り、経済活動を優先する形で更に2週間の延長を決定していました。しかしながら8月2日日曜日までに4日連続で1日の感染数最多記録を更新し、特に金曜夜から土日にかけて合計1万名以上の感染が新規に認められたことが大統領に大きな決定を行わせる要因となったようです。8月1日に約80の医療団体は医療体制が逼迫している現状を大統領と保健省に訴えるため、文書を送りました。また事実、1日の時点でコロナ感染者向けの病床利用率は首都圏で80.7%となり保健省が定める危機的水準に達しています。医療団体からの文章によると、病床数のひっ迫のほか、自身が感染を恐れる医療従事者の離職も相次いでいるようです。加えて感染者の隔離と濃厚接触者の追跡への対応が不十分だと指摘し、公共交通機関や職場での感染対策の見直しやジムなどの再開も見直しするように指摘されていました。それらの結果を総合し、大統領をはじめとする中央政府は8月4日からの隔離措置強化を決定しました。

  • 隔離厳格化(MECQ)対象地域

前述の通り明日8月4日からの隔離措置強化が決まり、現行のGCQより一段と厳しい行動制限が強いられるようになりました。対象となる地域はマニラ首都圏全ての16都市に加え周辺の近隣郊外都市のラグナ州、カビテ州、リサール州、ブラカン州が対象となりました。首都圏もさることながら南部の工業地帯と言えるラグナ州やカビテ州では、経済特区にて多くの製造業の工場が集積しており多くのフィリピン人従業員への雇用の影響のほか、各工場の運営操業にも多大な影響が避けられません。

  • 事業運営 多くの企業で制限

今回のMECQへの厳格化は当然ながらGCQ下で微力ながらもなんとか運営を再開していた多くの企業の操業にも影響を及ぼします。これまで同様、医療従事者を始めとしたフロントライナーと呼ばれる職種、具体的には医療のほか食品サプライや運送業などは通常の運営が求められます。一方でその他のほとんどの業態で50%未満の営業のみが許可されます。8月3日よりGCQでジムが再開するというニュースを先週よりお届けしていますが、ジム運営は完全に白紙に戻ります。また企業運営の制限以上に厳しいのが交通規制です。既に公共交通機関の運営停止が宣言されており、また各市町村間に検問所が設置されます。ここはGCQとの大きな異なる点です。GCQでも企業運営の制限(最大50%までなど)はありましたが、交通手段は何とか生き延びているため結果、一般市民も何とか出社できている状況でした。それが今後は徒歩、自転車、自家用車、社用車以外の通勤は不可能となります。またコンドミニアムの場合は組合が新たな規定を生み出す可能性が強く想定されます。

  • 通行証復活

隔離措置の厳格化に際し、Quarantine Pass(通行証)が復活するようです。通行証はロックダウンを正しく実施するため、各バランガイ単位で発行するもので1世帯から1人のみが必要な買い物などの際のみに外出するように制御するためのものであります。しかし、これらの隔離措置の運営に関して地方自治体の裁量が大きく考慮されるようで、例えば通行証を新たに今回発行しなおすのか、以前のECQ/MECQの際に発行していた通行証が再利用できるのかなどはその地域のバランガイの判断によります。マニラ首都圏内の都市のひとつ、San Juan市では新たに通行証を発行する方針のほか、夜間外出制限もこれまで午後10時から午前5時に緩めていたところ再度、午後8時から午前5時までと強化する様子です。

  • 公共交通機関 運航禁止

交通省の発表でほとんどの公共交通機関が明日8月4日より禁止されることがわかりました。具体的にはバス、ジープニー、タクシー、電車、Grabなどのアプリを利用した配車サービスです。トライシクルは基本的に禁止となりますが、詳細は地方政府に委ねられるようです。公共のシャトルは主に医療従事者専用となります。

【Cebu Mactan】

  • 就業トラベルパス発行に署名 セブ州知事

本日より正式にGCQへと緩和されたセブ市内のロックダウンですが、セブ州では感染の第2波をよび再びロックダウンを強化しなければならない状況を防ぐため、市民が市境を越境する際のモニタリングを強化する様子です。Work Travel Permit(WTP)というセブ市外から市内に通う就労者がオンラインで申請できる通行許可証を発行する意向の様です。WTPは携帯のアプリで申請できるシステムで、アプリ自体はスマフォがあれば誰でも簡単にダウンロードできるようですが、アプリ内で申請を完了するにあたり医療証明書や雇用主からの雇用証明を提示する必要があるようです。

  • セブ市警察パトロール セブ市商業施設

新たにGCQとなったセブ市では週末から隔離状況が緩和したということもあり、これまで行動を制御されてきた人々が、気分転換などのためかモールに立ち寄る姿が報告されていたようです。セブ市長は再度警鐘を鳴らすとともにセブ市警察にモール内をパトロールし、各商業店舗が必要な衛生面のプロトコル順守できているか確認するよう指示しています。

本日は以上となります。マニラ首都圏での速報が非常に重たいニュースでしたのでそちらの記事が多めになっています。まず以下のURLは7月31日にGCQ延長が決定した際のウィークリーアップデートの動画になります。

https://youtu.be/-6bA_qF7KD4

この撮影の際はGCQ延長ということで様々議論しておりますが、その後、土日の2日間で1万人増大し、MECQに強化というところまで激動の週末でした。しかしながら動画中でもお伝えしておりますように、そもそもロックダウンの分類という物がていをなさなくなっている状態です。MECQになることでどのような変化が実質的に起こるのか?これは8月4日から運営が始まってみないと予想ができません。以後、日々のニュースピックアップに加え、フィリピン現地のフィードバックなども取りながら、デイリーアップデートできればと思います。