October 1, 2023

デイリーアップデート Vol. 118 8月12日

本日も隔離措置の続くフィリピンの様子をお知らせいたします。まず初めに本日の感染者数ですが累計感染者数139538名、累計死亡者数2312名、累計回復者数68432名となっています。1日の新規感染数は2987名でアクティブケースは68794名です。新規感染のうち半分以上はマニラ首都圏からの報告で1510名、さらに隣接する南部郊外のエリアを含めると68%以上がこのエリアから発症していることになります。

先週までの激動のフィリピンをアップデートするウィークリーアップデート「SAMURAI DOJO」を動画投稿しておりますので是非ご覧ください。

https://youtu.be/sW-KksBODn4

 

それでは本日もいくつかのニュースをピックアップしてみたいと思います。

【Metro Manila】

  • 大統領苦慮 コロナ対策と財源確保

ドテルテ大統領は現在、マニラ首都圏で実施しているMECQ(ロックダウン 上から2段階目の強度)の継続を医療団体から迫られる一方で、それを継続するだけの十分な財源がないという理由でMECQの期日である8月18日以後の対応を判断できかねているようです。今月4日にロックダウンの分類を再度強化することを決め、早くも1週間たちますが、現時点では効果は数字に表れずこの間最低でも1日の感染数は2950人以上となっています。ロックダウンの継続を妨げる最大の理由は財源で経済活動が完全に停止する中で、国民にこれ以上、現金給付を行うこともできず経済が再開しない場合、多くの国民が飢えに苦しむ事態が発生しかねません。

 

  • 大統領 国軍投入も示唆

感染防止対策を優先するため、首都圏をロックダウンしているフィリピンですが規制を無視する市民が絶えなくなってきており国家警察のみで統率を行っていくことは困難であると感じているようです。この結果、大統領は感染収束を迎えられない場合、ロックダウンの統制のため国軍を再度投入する考えを覗かせました。一方で、経済活動が停止しているこの現状で生活のために外出を余儀なくされた市民がいることも認識、さらに国が現金給付もこれ以上行えない現状から外出を止めることをできないと発言、弱気な一面も覗かせたようです。

 

  • フィリピンからの入国者 他国でも感染例

フィリピンから出国しカンボジア入国した中国人13名が検査の結果、コロナウイルス陽性を示していることからカンボジア政府はフィリピンからカンボジアへの入国を禁止することを決定しました。陽性が判明した中国人は20~35歳で現在カンボジア首都のプノンペンの保健センターで治療を受けているそうです。

 

  • ロシアからのワクチン提供

ドテルテ大統領は10日の演説でロシアからコロナウイルスのワクチン提供を受ける意向を示しました。ワクチン供給は中国に続き2か国目となります。ロシア政府は11日に新型コロナのワクチンが完成したと明らかにしいますが、一方で臨床試験の一部を先送りにするなど安全性に疑問が残っているようです。

 

  • 新型コロナ対策法案第2弾可決

フィリピン下院は10日にコロナ対策法案の第2弾となる法案を賛成多数で可決しました。これにより1620億ペソの財政出動が可能となります。この財政出動により政府系金融機関への資本注入のほか失業者支援に200億ペソ、農業従事者への低利融資へ200億ペソ、医療従事者の追加雇用と各種保障に105億ペソ、コロナの健康保険給付に100億ペソ、医療現場や貧困世帯への防護具支給に30億ペソを割り当てるそうです。

 

【Cebu Mactan】

  • 偽の感染追跡チーム

セブ市の緊急対策チームは市内で偽の感染追跡チームを名乗るグループが虚偽の検査報告などで市民から金銭をだまし取っている疑いがあるとして、注意を呼び掛けています。保健省によりますと感染追跡は緊急対策チームではなく各地方自治体(バランガイ単位)が行っており保健省や対策チームなどが行っている経緯はないとし、そのようなグループに検査結果の通知や金銭のやり取りを要求された場合も応じないように警鐘を鳴らしています。

 

  • 密輸米 セブ港で発見

セブの港湾で関税検査に引っかかった密輸米約50万ペソ分が報じられました。台湾船からの密輸になります。この結果、セブ関税局はこの台湾船に違反切符を出し対応の改善と申告の義務を再度忠告しました。これらの密輸米が新型コロナの影響により行われたものかどうかはわかっていません。

 

本日は以上となります。新型コロナ対策が膠着状態になりつつあります。首都圏のロックダウン強化が決まってから約1週間が経過、現時点で直ぐにその影響が反映された感染数値が出てくることは想定できず、このロックダウンの再強化が果たして意味のあったものなのかどうか、数値的に見て取れるのも最低でも2週間後になると思います。一方で2週間後には今後もロックダウンを現状の強度で続けるのかどうか?この判断が必要になります。1日の感染数が減らない中一方で、経済の停止は財源の枯渇に直結し、次いで国民の貧困化が待ち構えます。経済活動をある程度行いつつ、感染の予防と拡大防止策を実施すること、これをフィリピンで実施するにはどのようにしたらよいのか、イメージがつきません。