本日も隔離措置の続くフィリピンの様子をお知らせいたします。まず初めに本日の感染者数ですが累計感染者数226,440名、累計死亡者数3,623名、累計回復者数158,610名となっています。1日の新規感染数は2,218名でアクティブケースは64,207名です。感染者数は2千名前半でここ数日では少ない方ではないかと感じます。
それでは本日もいくつかのニュースをピックアップしてみたいと思います。
【Metro Manila】
- 首都圏 夜間外出制限を緩和
9月からのロックダウン継続にあたり、マニラ首都圏では夜間の外出制限をこれまでの20時~5時を22時~5時に緩和したことがわかりました。また多くの公共交通機関も再開しており、商業モールなどのテナントの多くも再開が許可されています。ロックダウンの分類自体の変更はないものの、事実上の緩和措置が続出しています。
- フィリピン5病院 ワクチン臨床試験へ参加
フィリピン保健省は国内の5病院で中国の製薬会社が開発した新型コロナウイルスのワクチン臨床試験に参加する見通しを発表しました。フィリピンでは既に日本のインフルエンザ薬アビガンの治験へ参加している病院もあり、加えてロシア製ワクチンの臨床試験へも参加を検討しています。
- 地場航空3社 9月は運行
フィリピン地場航空会社のフィリピンエアライン、セブパシフィックエアー、エアアジアフィリピンは9月から大半の便を運航することを発表しました。旗艦航空会社のフィリピンエアラインでは国内線31路線、国際線33路線を運行予定で、日本線は成田、羽田、関空行を週3便、福岡、名古屋行をそれぞれ週2便で予定しているようです。各社運行予定は変更される可能性があるとし、空港内や機内ではマスクとフェイスシールド着用などの衛生基準順守が求められます。
- BPO事業拠点ランク後退
米国の調査会社が発表しているBPO事業拠点ランキングでフィリピンは昨年から1ランク後退の世界6位と評価されました。総合トップはインドで次いで米国、ブラジルと続きます。都市別ではマニラが4位、セブ市は15位と世界の中でも高位置ですが昨年と比較するといずれもランクダウンです。調査会社によるとインドやフィリピンはコロナによるパンデミックの影響を最も受けていると分析されており、人的資源のみでなく業務を自動化するデジタル技術の導入が必須と考えられています。
【Cebu Mactan】
- ブラカオの境界線を再開 セブ市
セブ市地方政府はMGCQへと緩和されたセブ市および周辺都市の状況を考慮し、これまで検問所を設置し封鎖していたブラカオの境界線を通行許可する方針を検討しているようです。ブラカオの境界線はセブ市とタリサイ市の境界線となります。両方の都市は6月中旬ごろ、国内で最も感染の割合の多い都市として国内で初めてロックダウンの緩和後に再度強化された都市です。この境界線の緩和はタリサイ市からセブ市へ多くの就業者が流入することを意味します。
- フェイクニュース流出 偽造Facebookページから
セブ市では偽造されたセブ市政府のフェイスブックページが何者かにより作成され、一時的に嘘のニュースが配信、情報の錯誤と混乱が生じていました。セブ市政府報道官によりますとセブ市は市警察のサイバー犯罪部門と協力し犯人の特定に努めています。現在、MGCQになり各種制限が緩和される中でも高齢者と21歳未満の若者は特段の用が無ければ外出は許可されていませんが、フェイクニュースによりこれらの制限は解除されたと伝えられていました。市政府は公式のフェイスブックページに注視するように呼びかけるとともに犯人の特定を急いでいます。
- アヤラモール 新たな取り組み
アヤラモールでは新たな取り組みとしてAyala Mall Neighborhood Assistant ANAというサービスを開始するようです。このサービスではANAにFacebookなどのアプリでメッセージを送ると、モールの職員が指定された食品などを購入し指定の場所もしくは自宅まで届けてくれるというサービスの様です。時間の自由度が増すほか、外出による感染予防にも効果があり、かつ市中に出回る人間も減らすことができるなどの狙いがあるものと思われます。なお、原文の記事中ではセブのアヤラモール限定かどうかはわかりかねましたが、セブ地方のローカル紙の記事を参照しています。
本日は以上となります。セブエリアで前向きな取り組みが増えていますが、一部、サイバー犯罪など残念なニュースが散見されました。首都圏も各種緩和傾向でありますが、経済指標や各調査会社の調査結果などネガティブなフィードバックが目立つ機会が増えています。
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