October 1, 2023

デイリーアップデート Vol. 107 7月24日

本日も隔離措置の続くフィリピンの様子をお知らせいたします。まず初めに本日の感染者数ですが陽性感染者数7644名、死亡者数1879名、回復者数24502名です。感染者から回復者を除いたいわゆるアクティブケースは50063名で東南アジア域内では最も多い数値となっています。累計感染者数ではインドネシアの93657名(23日時点)がトップであるため、フィリピン国内の回復者数の少なさが際立っています。その他の東南アジアの国々では各国内で10名以下の感染数が連日の増加数でフィリピンとインドネシアの2か国の状況が心配されます。

それでは本日もいくつかニュースをピックアップしてみたいと思います。

 

【Metro Manila】

  • 取り残された市民、マニラのスポーツ施設に収容

地方からマニラ首都圏に出稼ぎや就学に来ている市民の中で、依然としてコロナの影響で職を失うなどした後に、地元に戻れずに取り残されて行き場を失っているケースが何千人規模でいるようです。地元メディアが写真付きで報じました。マニラにあるリザールメモリアルスポーツコンプレックスというスポーツ施設では観客席などを利用し、多くの市民が帰国の時をただ待ち収容されている様子が映し出されました。多くの人々は中部のビサヤ地方や南部のミンダナオ地方に故郷を持つ人々の様です。

スポーツ施設内の様子

 

  • マニラ首都圏 ナボタス市の厳格措置で違反者続出

マニラ首都圏にあるナボタス市では、局所的なクラスター感染が続発していたため、地方政府の判断による厳格措置が行われていました。これは俗にハードロックダウンという呼び方をされていて、州政府や市政府単位で実施しているGCQに関わらずより小さな自治体単位で隔離を行い行動を制限することを言います。ナボタス市では今月16日からこの措置を行っていますが10日足らずで既に違反者が3896名報告されているようです。同市では22日時点で累計感染者が1334名、死亡者が81名おり医療体制が不十分であることから、厳格措置を16日~29日の期間で行うことを決定しています。

 

  • 内務省、接触追跡チーム増員

フィリピン内務省はコロナウイルス感染者との接触者を追跡することでより効率的な感染の封じ込みが可能であるとして、接触者追跡チームを5万人増員することを明らかにしました。現在の追跡チームは約7万人ほどで構成されており、増員により12万人ほどのチーム編成になります。内務省はこのほかにも各バランガイ単位で独自の追跡チームを創設するよう指示していることを明らかにしました。

 

  • 公共交通機関 月213億ペソの損失

フィリピン下院の経済問題委員会ではコロナ対策のための外出制限の影響で、バスや鉄道などの主要な陸上交通機関では1か月に213億ペソの損失が出ていると試算を発表しました。同委員会では運輸業界はこのコロナウイルス感染対策で最も影響を受けた業態の一つであると考えています。

 

【Cebu Mactan】

  • セブ市感染者数 8467名

セブ市では24日時点で累計感染者数が8467名報告されています。この1か月余りセブ市はフィリピン国内で最も感染の多い市自治体であるとして、国内で最も厳しいロックダウンを中央政府から強制されたうえで、バランガイ単位で独自にハードロックダウンを行い、経済を犠牲にしても感染対策に専念してきました。その結果、7月18日~24日までの1週間で報告された新規感染数は約500名となり、その前の1週間で報告された新規数の約半分にまで減少するような著しい改善が認められています。

 

  • セブ州 観光各地へのガイドライン

セブ州知事は厳しいロックダウンが続くいくつかの市自治体(セブ市やラプラプ市)を除く、その他のセブ州の地方で観光業を再開することを許可する行政命令に署名しました。その際に観光を再開するにあたってのガイドラインも発表されています。RFIDという個人識別可能な証明書を観光者は事前に取得する必要があるようです。観光者は事前にセブ地方の観光ポータルサイトで登録が必要となります。このポータルサイトは観光省オフィス、貿易産業省、保健省との協業で作成されたものの様です。この事前登録を行うことで、観光客の数を制限するなどの狙いがありまた事前にキャッシュレス決済の導入も求められるため、より非接触的な観光を後押しする狙いもあります。セブ島を行き来する国内線や船便はまだまだかなり限定的なため、域外からの訪問者を対象にしているとは思えませんが、島全体の主要産業が観光業であるセブ地域にとって大きな一歩を踏み出すことになります。

 

  • ロス野菜 セブの感染対策のため

セブ州南部のいわゆる野菜バスケットと呼ばれている野菜農家ではおよそ60%もの発送した野菜が、セブの感染対策による移動制限のため越境できないなどして何らかの影響を受けているようです。通常でも15%程度の不良野菜の廃棄が出ることを前提条件として、現在の状況では健康で市場で取引されるのに適した野菜でも、コロナ対策のための検問所を通過できないなどの影響で廃棄や倉庫へ一時的に回されるものが40~50%程度まで増えているようです。

 

本日は以上となります。セブ市はこれまで国内の市自治体単位で最大の感染者数がいると報告されていましたが、今回の感染対策で徐々に増加数が減っており、現在ではマニラ首都圏にあるいくつかの市自治体の方が多くの累計感染者がいるようです。6月15日以降既に「2度目」の1か月以上に及ぶ強化されたロックダウンECQ、MECQをおこない、さらに域内で局所的ロックダウンを行ってきたその成果として感染増加数現象であることを願っています。