本日も隔離措置の続くフィリピンの様子をお知らせいたします。まず初めに本日の感染者数ですが陽性感染者数82040名、死亡者数1945名、回復者数26446名となっています。アクティブケース(罹患中)は53649名です。1日の感染数はマニラ首都圏が1000名越えで最大、その他にルソン島首都圏郊外南部のラグナやカビテ州がそれぞれ89名と38名です。セブ州は31名の報告で、一時期に比べると感染増加数はかなり落ち着いてきた印象です。
先週のウィークリーアップデートを動画にまとめておりますので是非ご覧ください
それでは本日もいくつかニュースをピックアップしたいと思います。
【Metro Manila】
- OFW帰国支援 10万人越え
フィリピン外務省によりますと、2月ごろからコロナウイルスの影響で行ってきた出稼ぎ労働者OFWの退避支援が7月までに累計10万人を超えたそうです。これに自己負担で帰国したものの数も加えるとさらに多くのOFWが既に帰国しているものと思われます。フィリピン経済における出稼ぎ労働者の貢献度は非常に高く、帰国者の増加は景気悪化の大きな一因となる可能性が高いです。
- 雇用者連合 コロナ検査企業負担を非難
フィリピンの雇用者連合は保健省が従業員の復職や職務継続にあたり、コロナの抗体検査(Rapid test)を2週間おきに実施しさらに企業が費用を負担するよう要請していることに対し懸念を示しました。特に中小零細企業では従業員一人一人への検査費の負担は現在の経済状況では大きな負担となるケースもあり、現実的ではないと考えられています。既に雇用統計や労働雇用省から各種の失業データが出ていますが、抗体検査を企業が全て負担することになると、さらなる閉鎖企業が増大する恐れが高まります。
- SM従業員14万人に検査 アヤラはテナント支援策で40億ペソ
フィリピンを代表する最大手の財閥では従業員やテナントなどに支援を繰り出し、社会的責任や政府支援の姿勢を示す動きが流行しているようです。財閥SMはスーパーや小売、モール、住宅部門の従業員に加え他社から派遣されてきている清掃員や警備員などにもコロナ検査を実施させているようです。またアヤラ財閥はモールなどの商業テナントに対し家賃免除などの支援を行い、5月末で総額40億ペソにも及ぶようです。同社は今後、入居テナントの運営状況により支援を継続するか判断するようです。
- 中小零細向け融資710億ペソ
フィリピン中央銀行は預金準備率の相次ぐ引き下げにより、中小企業への融資が710億ペソ(約1500億円)に達している状況を伝えました。景気下支えのために中央銀行主導で預金準備率の引き下げを進め、これまでに90行が中小零細企業に向けて貸し付けを実施したそうです。
【Cebu Mactan】
- セブ市、感染縮小か?
感染のホットスポットとして6月15日以降国内で唯一ECQを中央政府から命じられてきたセブ市ですがようやく明るいニュースが聞こえてきそうです。現在、感染者の増加速度は減速しており、市自治体単位では既に国内でマニラ首都圏内の市の方が多くの感染者がいることになっています。
- セブ市、局所的ハードロックダウン
これまで国内で最長クラスのECQを行ってきたセブ市ですが、市内でも特に隔離引き締め地域を作りいわゆる局所的なロックダウンを行ってきたことが功を奏しています。現在はセブ市内の5つのバランガイで6つの地域が局所的なハードロックダウンに指定されているそうです。ハードロックダウンは感染が特に多いエリアを対象に行い、指定エリアでは一切の外出を禁じます。食料なども支給されたもののみで生活するようです。マニラ首都圏でも感染の多い市自治体で取り入れる地域が増加しています。
本日は以上となります。本日は大統領の年に一度、任期中では5回目の大統領演説があり、政府のコロナ対策が無ければ被害はこの程度では済まなかったと発言していたようです。もちろん、政府が対応を行っていなければこの程度の被害ではなかったかもしれないですが、他の東南アジア諸国と比べ厳しい状況が続いています。フィリピン大統領は1期6年再選なしです。任期満了まで残り1年となってきましたが、米国のような選挙を意識した現職の動きが全くないのは特徴的です。今週末には7月も終わり8月からの中央政府の動きは大きな決断を求められそうです。改善が噂されるセブ市をよそ眼に今度は、おひざ元のマニラ首都圏の感染が留まることなく増え続けています。ロックダウンを再度強化する目論見も強いようです。
Part.63 18万人医療機関パンクのフィリピンと増加始まった日本
Part.62 加速するフィリピンと熱帯びる日本
Part.61 治療者13万人成す術なしフィリピンと宣言解除で増加日本