本日もEnhanced Community Quarantine(拡大隔離措置)が継続するMetro Manilaおよび
隔離措置の進むCebu Mactanの最新の情報を現地の視点を交え共有してまいります。
まず初めに本日3月21日(土曜日)現在のフィリピン国内の感染者数でございますが、
307名、死者数19名、回復者13名となり昨日から感染者数が大幅に増大する結果となりました。
特定のエリア情報は得ておりませんが、隔離措置後も感染者の増大は進んでおりそれらの状況を鑑みましても
今すぐにこの隔離措置が終了するという状況にはなりそうにありません。
この感染者数の増大は本日の最も大きなトピックとも言えます。
以下、その他のフィリピンMetro Manilaの動きでございます。
【Metro Manila】
- Philippine航空、国際便の出向、16便は継続運行
フィリピンのフラグシップキャリアのPhilippine航空は国内に残る外国人、
およびOFW(フィリピン人出稼ぎ労働者)のために世界の主要都市向けに16便の国際線は継続運行することを決めたそうです。
その中には日本便ももちろん含まれており、特に羽田行、成田行、関空行を継続運行するとのこと。
フィリピン国内にとどまっている外国人とOFWに限り、フィリピン政府は国外への出向を認めておりその需要にこたえる形となります。
しかしながら新規の入国は先日からのビザ発給一時停止の報告からも明らかなように認められておらず、
今回出国すると少なくとも隔離措置の解除または緩和まではフィリピンに戻ってこれない結果となります。
職業上、外国人でもフィリピンにいなければならないという方は多いと思いますし、隔離初期の時期が落ち着くと外国人ですら出国の流れは収まるかもしれません。そうなると、いよいよ全便停止となります。
- Extreme enhanced quarantine in Mandaluyong City
Mandaluyong cityはMetro Manilaの中でもMakati, BGCに次ぐビジネス街のオルティガスセンターを含む市なのですが、
市内の特定の通りやエリアを“Extreme”Enhanced Community Quarantineに指定したそうです。
これは同市が大型医療施設を有することからコロナウイルスの陽性患者やPatient under investigation(要検査中)などの方々の専用隔離施設を有しているため、その周辺地域を特に指定の隔離エリアとして通行、外出を厳しく管理するための措置のようです。
【Cebu Mactan】
- Mactan Newtown エリア内の長期・短期入居受け入れ停止
弊社のセブ支店管理物件が集中するMactan Newtown内のコンドミニアム管理組合より本日通知があり、
エリア内のコンドミニアムへの入居(長期、短期ともに)およびホテル(Savoy Hotelなど)のチェックインを全て停止するそうです。
そもそもセブ州全土において新規の入国入境(国内外から)を禁止しているため、
既に見込み客の90%以上は消滅している状況なのですが、
この決定により現実的に客室稼働、新規賃貸契約の現実味がなくなってまいりました。
この動きを持ち弊社セブ支店でも一部、業務の縮小をするなどを検討するか経営陣にて協議を進める次第でございます。
- セブから出向の臨時便手配、セブ在比日本大使館など
昨日の記事にて400名程度の外国人がフィリピン出国のためマニラへ到着した流れなどご説明いたしました。
既に18日にはフィリピン国内からの発着を停止していたセブ空港ですので、理解に苦しんでおりましたが、
やはり自国民保護のため各国大使館などが動きを見せているようです。
日本人の場合はセブ在比日本大使館やセブ日本人会などにより、臨時便確保などの手配がなされているようです。
先ほどのMetro Manilaのケース同様この隔離初期の時期が最初で最後の外国人出国の大きな動きになりやすいと思います。
- コメの価格上昇
セブでコメの価格が上昇しているとのことです。
あくまで貿易産業省DTIの基準内とのことですが、その基準を超すと取扱業者は違反行為となります。
現在の国内の情勢を考えますと食材の価格上昇は必ず生じえるだろうと思いますが、
一般市民の生活に確実に影響を及ぼします。
このあたりも今後、政府がどのような処置をとるのか?あるいは取らないのか?注目していくポイントだと思っております。
以上となりますが、日々、情報をアップデートしておりますとやはり新たな政府からの通達や動き、
行政命令などはひとしきり落ち着いた印象を受けます。
その分、一つ一つの事象に対しどのような影響が出ているのか?現地ではどのように感じているか?
国民が、経済がどのように反応しているか細かい印象や(行動範囲は限られますが)街の雰囲気、そして外国人就労者の動き、もちろん不動産賃貸運営への影響など記述できればと思います。
最後にこれらを受けての弊社の今後の動きでございます。
【81Company order】
- DOLE(労働局)決定の従業員への休業給与保証の申請承認
昨日記載いたしました、労働雇用局DOLEが労働者へ休業補償を出す件に関しまして企業単位で従業員のリストと共に承認申請をする必要があるとの情報が既に入手できました。それをもちまして本日より弊社ではそのリスト作成の上、申請を行っております。
- 社内緊急ファンドを用いた無金利のCalamity loan(災害時ローン)の実施決定
隔離措置開始1週間経過し、弊社従業員が今後就業できないまま生活に困窮することを懸念しております。そこで大統領からの“State of Calamity”宣言に紐づき社内で希望者に無金利のCalamiti Loanを実施することを決定いたしました。
- 社内緊急ファンドを用いた緊急時連絡用のcommunication fund(緊急連絡資金)の配給を決定
営業停止中に携帯電話のプリペイドロードを消費し連絡がつかなくなる事態が懸念されております。
そもそもですが、フィリピンではクレジットカードや銀行口座の保有率がまだまだ低く、
スマートフォンでもプリペイド式が普及しております。
実は私もその利便性から在比7年目でいまだにプリペイドを利用しています。プリペイドに関してはその制度が日本よりもはるかに発達しており慣れれば非常に便利です。ですがプリペイドはロードした料金を使い切ると当然利用不可となり通信手段がなくなります。そこで緊急連絡のため一律のCommunication fundを配給することといたしました。
本日は以上となります。
隔離措置5日目、自宅に閉じこもりきりですとやはり体もなまってくるものでして、自分自身の健康状態も気になります。
室内でも可能なトレーニングなど行い、体調面も意識しながら過ごすよう個人的に気を付けております。
フィリピンは今、1年で最もよいシーズンを迎えており毎日晴天です。
セブの海はなおのことでしょうね。一日も早く世界的な収束を迎えることを願うばかりです。
江副
Part.63 18万人医療機関パンクのフィリピンと増加始まった日本
Part.62 加速するフィリピンと熱帯びる日本
Part.61 治療者13万人成す術なしフィリピンと宣言解除で増加日本