October 1, 2023

デイリーニュース Vol. 48 5月4日

本日も隔離措置の続くここフィリピンより最新の情報をお知らせいたします。

本日も隔離措置の続くここフィリピンより最新の情報をお知らせいたします。

まず本日の感染者数ですが陽性感染者数9485名、死亡者数623名、回復者数1315名となっています。この週末に9000名を超え、このペースで続きますと今週中にも感染数が1万名を超すことも見込まれます。

【Metro Manila】

国内空港全面閉鎖
フィリピン政府は3日の発表で現在稼働している国内の空港を1週間限定で全ての入国便を止めることを発表いたしました。現在、出稼ぎ労働者(OFW)の帰国などで1日に2000人以上がマニラ国際空港に到着しており、それら全てを14日間の強制隔離監視下に置く措置をとっていますが、既にマニラ首都圏では2万人が隔離され一時的な隔離施設は限界を迎えているようです。

フィリピン政府はまず隔離施設の稼働状況を適正な水準へと戻すため1週間限定でOFWなどフィリピン人も帰国を禁じることを決めました。フィリピンから出発する外国人に関してこれまで同様可能で日系航空会社は、隔離開始後も減便にて運行を継続していました。

今回の発表において日系航空会社の日本帰国便はこれまで同様に運行可能ですが、あまりにも政府からの発表が唐突に具体性がなく発表されたため、現場は一時混乱し、対応を余儀なくされたそうです。

経済損失、7000億ペソ
フィリピン国家経済開発庁はマニラ首都圏で実施されている隔離措置による外出制限が影響し、それによる経済損失が4月末の時点で既に7000億ペソにも及ぶと発表しました。現在の推測では2020年の経済成長率は0%以下になることが見込まれています。またその場合で年間の損失額は1兆1000億ペソとなる試算とのことです。

財務省、国債による財政計画
財務省は5月の国債発行計画を発表いたしました。国内で中期短期の国債を発行し5月だけで1700億ペソを調達する予定のようです。4月に国債で調達した1900億ペソには及びませんが、コロナウイルス対策でひっ迫する財政を支えるため前年同月比で50%以上も多く調達する予定のようです。

オンラインカジノ、営業再開へ
フィリピン賭博公社は現在、全面的に営業を禁じているカジノ事業者のうちオンラインカジノ事業者(POGO)に限り限定的な運営再開を認める方針を発表いたしました。各POGO事業者は既定の感染対策を徹底し、運営を常時の30%以下の人間で行うことにて運営が許可されるほか、職場復帰する職員に事前の感染検査を義務付けるそうです。フィリピン政府はPOGOが犯罪の温床となりやすい性質を踏まえ、営業再開を認めない方針を一転させPOGOから得られる税収をコロナウイルス対策に投じられることから運営再開に踏み切ったようです。

低所得層への現金給付、400万世帯追加
フィリピン政府が推進している低所得世帯への2か月にわたる現金支援策について、既存の1800万世帯から新たに400万世帯を支給対象に加えることを発表しました。しかしながら社会福祉開発庁によりますと、実際に現金給付が実行されたのは全体の6%程度にとどまっているとのことです。政府は既に各自治体に対し805億ペソの支出を完了しています。

【Cebu Mactan】

セブ市新規感染
セブ州では189名の新規感染者が4日に報告されそのうち188名はセブ市で発症していることが報告されました。その他の1名はラプラプ市からの発症のようです。これでセブ州では合計1068名の感染が報告されたこととなります。

セブ市の犯罪率低下
セブ市警察はこの隔離措置が開始された3月17日から5月2日までの期間で報告された犯罪数は減少し、全体で68.12%にまで低下したことを発表いたしました。殺人事件やバイク泥棒の報告は0件で特に減少が著しいようです。一方で違法薬物の報告はむしろ増えているという報告もあります。

収容者1万人を釈放
フィリピン最高裁は3日までに国内の拘置所から収容者を1万人釈放したと報告しました。釈放されたのはいずれも裁判を控えている被告らで、今後も釈放を増やす方針のようです。フィリピンの拘置所や刑務所は実際の収容能力を5倍も超す人数が収容されておりコロナウイルスのクラスターが発生しやすい環境となっているための措置となります。セブ島内には国内最大規模の刑務所があり、その収容能力は限界値をはるかに超えていることが発表されています。今後、セブでも一時釈放の流れなどが加速していきそうです。

本日は以上となります。最近、不動産系や金融系の記事にも目を通しますがフィリピン人の今後の経済への見通しが非常に楽観的である気がしてなりません。一方で一人一人の国民に目を向けると金銭的にこの隔離を乗り越えられなくなってしまう人々が大勢いるであろうことが感じられます。今朝の記事でこの隔離期間中に生まれた新生児に名前をCovidと付けた両親の話が話題になっていると取り上げられていました。真意を疑いたくなる記事だったのですが、その両親曰く「このような危機的状況にも希望はあるということをいつでも思い出せるように」と思いを込めているそうです。その前向きな考えに感服する思いでした。