本日も隔離措置の続くここフィリピンより最新の情報をお知らせい たします。まず本日の感染者数ですが陽性感染者数14319名、 死亡者数873名、回復者数3323名となっています。 先週末よりおよそ700名増えております。
【Metro Manila】
各企業が衛生面のプロトコルを実施しながら、 少しずつオフィス運営を再開するなかで一般的な従業員にとって問 題となっているのが、オフィスへの出勤手段です。 政府は5月16日からのMECQにより、特定業種で50% までのオフィス稼働を許可していますが、 一方で公共交通機関は一切稼働しておらず一般従業員が出勤できな い状況が発生していました。 そのような中で自転車の販売が特需ともいえる需要を得ているそう です。 政府も自転車はコロナ時代の理想的な移動手段の一つとして言及す るなどし、マニラ首都圏内最大の幹線道路、 エドサ通りに自転車専用レーンを試験的に導入するなど、 その有効性が期待されています。 圏内ではその他にEスクーターと呼ばれる電動キックボードなど非 接触型の単一移動手段が注目されています。
防衛省秘書官は6月1日以降の首都圏において現在の隔離状況から さらに緩和された一般隔離措置General Community Quarantine(GCQ) へ移行する可能性が高いと言及しました。 秘書官は記者からの問いに対し、 既に政府のコロナウイルス対策チームは6月1日以降のGCQへの 移行を検討し、話し合いの段階に入っていると伝えました。 防衛省長官は、 市民一人一人が自制心を持って行動することでより柔軟にコロナ後 の世界に順応していけるだろうと発表しています。
メトロマニラ内の16市の市長達で構成される市長連合は、 5月27日に会議を開き今後の各市の隔離措置の在り方について話 し合いを行い、 中央政府の対策チームへ提案書をまとめる予定です。 いくつかの市長は既に31日以降の隔離緩和可能との意見を表明し ており、 中央政府が主導してきたこれまでの感染対策により市政府が容易に 感染状況を把握し対処できる水準になっていると評価しているよう です。一方で隔離の緩和に対し警戒感を強める市長もおり、 現状は何も改善しておらず隔離措置の在り方に関してはより慎重に 検討していくべきだという意見もあります。 そのような中で中央政府の対策チームでは同じ首都圏内の市でも感 染の拡大具合に違いがあることに触れ、 全てを平均的にロックダウンの対象とするステージではないとの考 えを覗かせました。
メトロマニラ開発公社は本日5月25日に6月1日以降の隔離の在 り方について言及しました。現在、 修正された拡大隔離措置いわゆるMECQが始まり2週間後の月末 から一般隔離措置GCQへ早急な格下げが適切かどうかに多くの議 論が残る中、M”G” CQというあらたな枠組を構成する必要性を検討しているようです 。 その枠組みではより小さな行政単位となるバランガイ単位で感染の 状況を把握し、 隔離が特に必要となる感染増大エリアとそれ以外とで異なる隔離を 実施するというもののようです。 もし実施されるとなるとフィリピン国内でコロナウイルス対策のた めの隔離措置のレベル分けは4段階(ECQ、MECQ、 MGCQ、GCQ)ということになります。
【Cebu Mactan】
セブ市は国立フィリピン大学(UP) の研究レポートなどに触れながら、 中央政府に対し厳しい隔離措置の継続の必要性を訴えました。 UPのレポートによるとセブ市およびマニラ首都圏の感染者数は依 然高水準とし、 ゆえにパンデミックのリスクレベルも依然高く感染は完全にコント ロールされた状態とは言えないとされています。 22日時点でセブ市の感染者数は1919名、 うち22名死亡となっています。 セブ市では一日の感染者数は減少傾向にあるとされていますが、 UPの研究基準となる1日の感染者数が100万人ごとに1名未満 には達していません。 UPの研究チームはさらなる具体的なデータ算出と隔離の緩和・ 強化の判断基準としてモバイルデータによる位置情報を使うことを 政府に提言しているようです。
セブ州警察の報告によると、 セブ市とマンダウエ市を除くセブ州の地域で一般隔離措置GCQが 5月20日に施工されてから夜間外出制限違反、 通行パス携行違反および屋外飲酒違反などで逮捕された人数は30 人となり明らかに減少傾向にあるそうです。 セブ州警察は治安維持のため引き続き、 隔離措置の違反者の取り締まりを強化していくそうです。
セブマクタン国際空港の開発を手掛けるMegawide Cebu Airport Corporationは州知事との会議の際に国際空港内にコロ ナウイルス検査が受けられる施設を設ける計画を報告しました。 これにより国外から帰国するいわゆるOFWがマニラ国際空港で大 きく足止めを受ける事態を緩和し、 直接セブへ帰還できる体制を整える狙いがあるようです。 セブマクタン国際空港へ到着後、 まずは同施設内で検査を受けその後、 政府指定のホテルへ移動し検査結果を待つことになるようです。 検査結果は1~2日程度でわかりその後、 各々の地元へ帰還することができます。
本日は以上となります。 マニラ首都圏の各権威で今後の国内の隔離の在り方に対する意見や 見解が発表されています。メトロマニラ開発公社、市長連合、 セブ市などそれぞれが今後の望ましいコロナウイルス対策の在り方 を求めていますが、 最終的にはそれらの意見をまとめ国の対策チームと大統領が決定す ることになります。1日の感染数は決して減っていませんが、 特定の地域のみでの増大ということであれば、 さらに小さな自治体単位でのロックダウンも十分あり得るかと思い ます。
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