本日も隔離措置の続くここフィリピンより最新の情報をお知らせいたします。まず本日の感染者数ですが陽性感染者数28459名、死亡者数1130名、回復者数7378名となっています。661名の新規感染が報告されたことになります。
【Metro Manila】
フィリピン経済の中核を担う大手財閥各社からのコロナウイルス対策における政府への協力姿勢が大きく取り上げられています。いくつかの財閥では中小企業支援として、モールやオフィスに入居する企業の賃料を免除したり、政府の要請に応じ臨時隔離施設の設定を行うなどあり、合計で数百億ペソにも及ぶ協力が行われています。SMグループでは商業テナントの賃料を外出制限中の2か月間免除し、その総額は88億ペソにも上るそうです。サンミゲルコーポレーションでは総額130億8000万ペソを支出し、食糧事業を通じて貧困層への食糧支援などを実施しています。アヤラ財閥も同じく商業テナントへの賃料免除など合計57億1000万ペソをコロナ対策で拠出した他、法人税の支払い期日が延期される中で合計98億6000万にもおよぶ税金の納付を完了したと発表しました。
運輸省は地方間のバス運行の再開に際し、自治体の境をまたいで運行するバスは各自治体の運営方針に従い許可を取得する必要があると見解を示しました。通行する自治体全ての許可を取得する必要があり、許可が下りていない場合は運行再開が認められないそうです。
中央銀行は18日に今年の海外出稼ぎ労働者OFWの送金額が前年比で5%落ち込むという見通しを発表いたしました。コロナウイルスの影響で帰国するOFWが増える中での影響を示唆したものです。3月に送金額が2%増加するという予想を発表していましたが、今回の発表で大幅に下方修正する形になります。
フィリピンの行政監察院は保健省のコロナウイルス対応に問題があったとして調査を進めることを明らかにしました。調査対象には保健相も含まれるそうです。問題とされているのは保健省の幹部と職員らの不法行為と規則違反の疑いが挙げられていることです。行政監察院は実際には3月中旬から既に調査を開始しているものの調査員が保健省でたらいまわしにされるなどして、進展がないため調査体制を強化することとなります。
【Cebu Mactan】
セブ市では各バランガイの役人が保健省のスタッフと会合を行い、コロナウイルス対策について協議と確認を行いました。市長は各バランガイ長に対し感染者が報告された際の対処を、患者の重症度ごとに分けて説明しそれぞれの患者が必要な医療機関、設備を受信することで医療許容能力も回復することができると説明しました。重傷者は直ちにバランガイの隔離施設へ、中度の症状が出ているものは市内の隔離センターへ搬入されることになります。
セブ市では市長が各バランガイに対し20万サックの米を支給することを発表いたしました。セブ市は一度は一般隔離GCQとなり経済も徐々に回復する動きを見せていたものの、6月16日以降、中央政府の指示で最も制限の強いECQを行うことを余儀なくされています。米は全てのバランガイに届けられ、その後の家庭への支給方法や支給量は各バランガイに委ねられるそうです。
セブ市では6月16日より再度、ECQ強化された隔離措置が実施されていますが、一般の順応度はまだまだ低く、多くの車両が行きかうシーンが認められているようです。セブ市警察は警察官の感染も増えていることを理由として、路上やバランガイでECQの指導にあたる警察官が不足していることを挙げています。出歩く人の数が徐々に少なくなっているとしつつも、検問所を増やすなどの対応が必要だと認識しているようです。
本日は以上となります。フィリピンでは過去の経済危機の際は、多くの場合、影響の少ない国に居住するOFWが自国への送金額を増して、家族をサポートする動きが加速するため経済危機においてOFWの資金力と国際送金が通常以上に加速することはしばしば見受けられる現象でした。しかしながら、今回の世界的なパンデミックはフィリピン人が出稼ぎに出ている主要な国々の全てで影響が出ており、これまでのような国家経済を支えるような力がなく帰国して失業者となっているケースも多くあります。20年のOFWの海外送金額の減少は必然的な結果と言えますが、その下方度合いが5%で留まるかどうか、今後の様子を見守りたいと思います。
Part.63 18万人医療機関パンクのフィリピンと増加始まった日本
Part.62 加速するフィリピンと熱帯びる日本
Part.61 治療者13万人成す術なしフィリピンと宣言解除で増加日本