本日も隔離措置の続くここフィリピンより最新の情報をお知らせいたします。まず初めに本日の感染者数ですが陽性感染者数33069名、死亡者数1212名、回復者数8910名となっています。1日の感染者数は778名です。感染の抑制が効かない日々が続いています。
【Metro Manila】
- 乗り合いタクシー、ジープニー、運転再開か
現在も交通手段としての運営が禁じられている乗り合いタクシー(UV express)とジープニーの運転再開が協議されているようです。特に報道によりますと乗り合いタクシーは週明けの6月29日月曜日からの運転が決まっているとのことです。いずれの交通手段も、既に再開しているバスや鉄道などと比べ、車内の密着度が高くまた運営方法(賃金の改修方法など)が感染リスクの高い乗り物として懸念されていますが、それらを運営しているドライバーや普段から利用している利用客において、生活費のねん出や出勤へ多大な影響を及ぼしており経済的な問題として注目されています。
- 10万人失業、労働雇用省
労働雇用省の発表では1月から6月の半年間で、失業した人が10万人に及ぶと発表がありました。またそのうちの3分の1以上は6月単体の失業者数になるようです。数値自体はフィリピンン統計庁が発表した730万人の失業者における一部の数値であるという見方が強いようです。労働雇用省の数値はあくまで、企業の申告ベースであります。報告では3189の企業や組織のうち2895社で従業員の解雇を検討しており、294社は閉鎖を余儀なくされたようです。
- BGCの建築現場、17名陽性
昨日発表されたタギグ市の新興開発都市BGCの建築現場での作業員感染と同僚の複数がコロナウイルスに類似している症状を表している件に関して、本日新たに17名が陽性の判定を受けたことがわかりました。現在、建築現場感染にロックダウンされ誰も中に入れない状態にあるようです。またこの部分的なロックダウンは2週間継続されます。バランガイ長は非常に危険な状態であると警鐘を鳴らしつつも、感染経路が全て把握できていることから、市民にパニックにならないよう呼び掛けています。
- 光熱費、通信費、請求続く
強化された隔離措置ECQなどの期間中、支払いが猶予されていた光熱費や通信費の支払いが一般隔離GCQになると再開され、多くの企業が滞納分とともに請求書を送り始めています。主なところでは電気代や水道代、携帯料金などがありますが、その他にクレジットカードの支払いや車、家などのローン支払いも次々と請求が始まり市民の生活を圧迫しているようです。各社は一括で清算できない場合に分割での支払いを用意しており、それぞれ携帯電話やアプリなどを通じて申請すると最大6か月に分けて支払いが可能となりますが、なかなか就業が再開できない人も多い中でさらなる生活の痛手となっているケースも多いようです。
- アビガン治験開始、7月から
保健省は23日に新型コロナウイルスの治療薬として期待されている日本のアビガンの治験を7月に開始すると発表しました。その他の詳細は明らかにされていません。政府は5月にアビガンの治験のため1800万ペソを予算に計上しており100人程度の被験者を対象に臨床実験を実施する予定です。
【Cebu Mactan】
- セブ警察、車両規制に苦戦
セブ市警察は市がECQへ制限を強化されて1週間以上過ぎた現在も、多くの車両が通行している様子を挙げて、規制取り締まりに苦戦していることを明かしました。多くの車両が通行許可証を携行しており、そのため取り締まりが難しいようです。これらの要因が6月22日に市政府に対し、通行許可証の無効化などの提案に至ったという経緯を説明しました。
- 約2000名の患者、中央ビサヤ地方内の病院で
現在、セブ市を中心に感染者の増大が注目されている中央ビサヤ地方ですが、感染者のうち1840名は病院で何らかのモニタリングを受けている陽性患者であるようです。1840名は6月24日時点の数値で、これは6月1日時点の390名と比べ約5倍近い上昇と言えます。内訳は1344名がセブ市内の病院で、その他のセブ地方が288名、マンダウエ市が125名、ラプラプ市が79名になります。
- 隔離強制に人員配備強化
先日、大統領の命を受けセブ州の感染状況の問題を調査検討している環境省秘書官ですが、6月25日の朝のカンファレンスで多くの追加人員がセブ州に送られることを明らかにしました。ECQの徹底に際し必要とされる人員が送り込まれるようで、少なくとも160名の人員がセブ市内の警察をサポートするため追加配備されるようです。カンファレンスでECQに必要とされるロックダウンが正しく認識されていないと発言し、それらを強制するための追加の人員配備が必要であると報告しました。またこれはセブ市内での感染を減速させるための必要な取り組みであると強調しています。
本日は以上となります。一度再開し始めた経済の動きを、改めて完全に止めてしまう行為は、初めてロックダウンを行った時よりさらなる理解と労力を要するようです。セブ市警察をサポートするため多くの人員がセブ市へ派遣されます。セブ市内や周辺都市ではそうした警察官の感染も増大しており規制や取り締まりが緩くなることを助長しているのかもしれません。 月末が近づき、全国で再度、隔離・ロックダウンの今後が見直される6月30日が近づいています。マカティでは道路を行きかうタクシーの数が格段に増えたのですが、注意深く見るとほとんどのタクシーが乗客を乗せることができていないことに気が付きます。就業が再開してもやはり制限があり、オフィスから出て外勤をする機会が少なかったり、通勤人数が限定されるため利用する人が少ないようです。果たしてジープニーなどを再開することで、単純に人の動きが爆発的に増えるのか、こういった点にも疑問を感じるところです。
Part.63 18万人医療機関パンクのフィリピンと増加始まった日本
Part.62 加速するフィリピンと熱帯びる日本
Part.61 治療者13万人成す術なしフィリピンと宣言解除で増加日本