December 4, 2023

不動産投資情報

不動産投資をする際に不動産のマーケットレポートを調べて不動産価格の推移などを把握することは、非常に重要なポイントになります。不動産市場の情報を集めることで今後の不動産市場がどういった動きをするかなどを予測することが出来るためです。 フィリピン不動産投資でも同様にマーケットレポートを把握することは重要になります。しかし、フィリピンのマーケットレポートは一部の情報が抜けているなど信頼性があまり高くありません。そのため、フィリピンのマーケットレポートについて正しく理解しておくことが重要です。 そこで、この記事では、フィリピン中央銀行や大手不動産会社などの権威のある会社などが作成したフィリピン不動産のマーケットレポートについて解説していきます。 なお、この記事でも紹介しているとおり私たちがCentral Bank Philippines(フィリピン中央銀行)の不動産取引価格の指数を基に作成したマーケットレポートを無料配布しているので、興味がある方はそちらも一読していただけると幸いです。 ー目次ー フィリピン人の不動産市場を読む解くには? フィリピンのマーケットレポートには主に2つがある Colliers International Philippines(コリアーズインターナショナルフィリピン) Central Bank Philippines(フィリピン中央銀行)…

フィリピンで不動産投資をする際は、フィリピン国内の銀行口座を開設するのが非常に重要になります。しかし、フィリピンで外国人が銀行口座を作ることは基本的に出来ません。 では、口座を開設する方法はないのでしょうか? 結論から言うと、フィリピンの銀行と取引がある業者から紹介をしてもらうことで口座を開設することが出来る可能性があります。ただし、口座開設には審査があり、必ずしも開設出来るわけではないため注意が必要です。 今回は上記の内容だけでなく、フィリピンで不動産投資をする際に銀行口座を開設する必要がある理由や銀行口座を開設するためのポイントについても詳しく解説しますので、参考にしてみてください。また関連動画も配信していますのっでそちらもぜひご視聴ください。 フィリピンの銀行口座事情とは? フィリピンの国民が銀行口座を持っていない理由 フィリピンのメガバンクは日本に拠点がある 外国人がフィリピンで口座を持つことは出来る? フィリピンで不動産投資を行うためには銀行口座が必要 まとめ フィリピンの銀行口座事情とは? まず、フィリピンの銀行口座事情について話していきます。フィリピンでは大半の国民が銀行口座を保有していません。実際にフィリピン国民の銀行口座保有率はJetro Manilaの調査によると28.6%と非常に低いです。フィリピンは約1億98万人の人口がいるため、銀行口座を持っている人は約2,800万人しかいないことになります。 さらに、純粋な銀行口座はその中の12%程度のみです。純粋な銀行口座とは通帳やキャッシュカード、預け預金があり、必要なときにATMからお金を引き出せる銀行口座を指します。 では、逆に純粋ではない銀行口座とはどういったものがあるのでしょうか?それはオンラインの決済システムがある「GCash」や「Pay…

   今回はみなさん気になる物件の取引価格の推移についてです。一般的には海外不動産(特に新興国)ではその国の成長故にキャピタルゲイン(Capital Gain)を狙って投資するものだともいわれています。というよりはそのように言っている記事や海外不動産のセールスパーソンが多いように感じています。果たして先人のフィリピン不動産投資家たちは、価格上昇によるキャピタルゲインを得ているのか、じっくり見ていきましょう。  また、このトピックを扱うにあたり今現在(2021年5月初旬)、コロナの影響を無視することは不可能です。そのため、ここで記載する不動産価格に関する実例は全て世界がコロナウイルス感染の影響を受ける2020年初旬(Q1)くらいまでの事実であることをあらかじめお伝えします。 1.プレセール(プレビルド)価格について (新築プレセールについてはこちらの記事をご覧ください。) 2.中古不動産の売買価格は賃料上昇と共に上昇 3.IRVの法則でひも解く価格上昇の論拠 4.年々堅調に上がっていた   1.プレセール価格はデベロッパーの値付け権で上昇  フィリピンの不動産投資、とりわけ価格を語る上で新築のプレセールコンドミニアムは避けては通れません。はっきりと申し上げてコロナ前の新築プレセールの販売価格は過剰上昇状態でした。筆者は2013年頃〜フィリピンのコンドミニアムの投資市場を見ていますが、’10年と’20年の第1四半期では大手デベロッパーによる新築コンドの売り出し価格はおよそ2.5倍まで上がっていました。  デベロッパーは新築プレセールコンドの開発者であり施主であり売主であります。当然、彼らには値付け権があります。それ自体には何の問題もなく、自分で作ったプロダクトを売りたい価格で販売しているだけです。問題は販売価格の上昇が生み出しているミスリードと、それを市場全体が信じようとする雰囲気が醸成されている事実だと考えています。  デベロッパーの営業マンは自社の新築プレセールコンドを販売する際に「絶対に(価格が)上がります!!」「来月上がります!!今買わないと絶対損です」というセールス文句をこれまで嫌になるほど聞いてきました。ですがここで言う「来月あがる」のは売主(デベロッパー)の販売価格であり、そのコンドミニアムの「価値(Value)」があがるわけでは決してないということを押さえておかなければいけません。後ほど解説しますが、不動産の価値は立地や築年など要因は様々ありますが、根本的には「賃料(Income)」に基づいて決定します。厳しい言い方をしますがそもそも竣工前の賃料を得ることのできない新築プレセールコンドに価値など何もないのです。販売価格は売主の値付け権によってのみ決められたので、価値の上昇というと空想にすぎません。  ちなみに多くのデベロッパーは新築の価格を四半期ごとで調整しているようです。つまり営業マンが「今買わないと絶対損する」というのは、今買っておかないと来月には値上がりするので損しますよ、という目線では正解です。…

その国で不動産投資を行う場合に、ローカル(現地国民)と外国人では基本的に対等ではなくローカルより重い税金や投資規制が外国人に課せられることは一般的です。日本の場合は外国人でも土地保有を認めていますがこれはまれなケースなのではないでしょうか?少なくともフィリピンは違います。今回はそんなフィリピンでの不動産投資における土地保有についてどのような規制があるのか、そして日本との違いを解説していきたいと思います。 〜目次〜 1.フィリピン共和国憲法上の外資規制 2.日本の区分マンションとコンドミニアムの最大の違い 3.その他の規制 1.フィリピン共和国憲法上の外資規制 フィリピン人以外の土地保有は禁止【フィリピン人】の定義(※土地保有に関して)フィリピン人=フィリピン国民、フィリピン法人(内国)  まずこの話を進める前提条件としてここで申し上げるフィリピン人というのはフィリピン国籍の人、またはフィリピン内国法人(資本の60%以上がフィリピンン資本の内国法人)を指します。永住権を持つ外国人やフィリピン生まれでもフィリピン国籍を保有していないものは該当しません。  日本には同じような規制がないので知らない方は驚くかもしれませんが、前述の通り憲法上フィリピンではフィリピン人以外の土地の保有が禁じられています。外国人が土地を保有する場合は内国法人を設立してその法人で所有する方法がありますが、これまた既にふれたように資本の60%以上がフィリピン資本、すなわち株式の60%以上をフィリピン人が保有することが条件になります。フィリピン内国法人は一般的な法人で外国人株主は最大40%まで(業態により100%フィリピン人である必要がある場合もある)という法人設立上の規制があり、そのため外国人が法人を設立して土地を保有する場合も、その法人の株主議決権(マジョリティ)が取れず事実上の支配下に置くことは不可能なのです。  外国人が内国法人を設立する際に、過半数以上の議決権が取れないため身内のフィリピン人をあたかも大株主のように法人登記上の代理人を立てて設立することがあります。これをノミニ―と言い、例えばフィリピン人配偶者がいるケースなどで親族に大株主になってもらうが、実際の法人経営は外国人本人が行っているケースは多いようです。またはこのノミニ―をサービス化している法律事務所などもあり、弁護士の名義を法人登記に使ってもらい、代わりにサービスフィーを頂戴するサービスを提供しているケースもあります。このケースですと外国人は「間接的に」法人の実権を握り土地も保有することができている、と言えそうですね。ですがこのノミニ―との(個人的な)関係が崩れたとき、目も当てられない結果になった話もあるようです。酷い場合はノミニ―に法人ごと乗っ取られたりした話も聞きます。これはフィリピンだけではなく、その他の諸外国でも同様の話を聞きます。  このようなケースも考えますとやはり外国人がフィリピンで土地を直接所有することはできないと考えるべきだと思います。そのため結論を申しますと外国人がフィリピンで不動産投資をする場合、必然的にコンドミニアムに限られます。 2.日本の区分マンションとコンドミニアムの最大の違い  ただ、日本の不動産投資家で特に区分マンション投資を行っている方に注意していただきたいのが、日本の区分マンションの感覚でコンドミニアムを認識してしまうと矛盾が生まれるてしまうということです。  日本の区分マンションでは、マンションの所有分に応じて土地が付帯するべき(間接的に土地を保有)と考えられています。この考えを元にすると、コンドミニアムを購入すると土地が付帯するということになりますよね?ですが前述の通り外国人は土地が保有できません。このままではコンドミニアムすら投資できないことになりかねません。  実際にはフィリピンのコンドミニアムを購入するとその所有分に応じた土地が付帯するという概念はなく、あくまでコンドミニアムの1室はそれだけで登記簿が発行されます。登記簿はCertificate…

〜目次〜 1.プレセール販売のスキーム 2.支払い方法は多岐に渡る 3.投資的目線でプレセールを見る 4.東南アジアで流通している新築コンドミニアムの販売手法 5.メリットについて 1.プレセール販売のスキーム 簡単に説明しますと分譲コンドのプロジェクトに対し、竣工の5年以上前から販売を行っていくスキームになります。これはデベロッパーには非常に大きな利点があり、それは竣工前から物件代金の回収が進んでいくことです。通常のように物件が竣工してから販売を行うようなケースですと、竣工するまでの間は建設資金をデベロッパーは自前で工面する必要があります。これを建設前から回収できるのは、莫大な資金が必要となる分譲プロジェクトにおいてデベロッパーに大きなメリットがあるのは明白です。日本でも青田売り呼ばれる手法でマンションデベロッパーは竣工前から予約販売など行いますが、日本の場合宅建法などに基づき一定の規制があります。 フィリピンの場合も開発許可を監督省庁のHLURBが発行しますが、竣工までには5年以上かかる物件の販売が許可されます。開発予定地は何もない更地の状態で、デベロッパーはショールームを始めとする販売素材を作成し見込み客への宣伝を行います。高度な技術で描かれたデザインパース(完成イメージ図)やピカピカの輸入家財で作り込まれたショールームは誰だって良いイメージを膨らませます。ですがこのようにして期待値が上昇したイメージで購入したものの、実際の竣工時には施工管理のずさんさや周辺環境の未整備などにより大きなギャップを生むケースがほとんどです。実際の例として、購入時は45階の超高層階で全面窓ガラスの都心部ど真ん中の物件を購入、予想では眼下に広がる高層ビル群を眺める最高のビューとなる物件を購入したはずが、竣工してみると何とも不細工に隣のビルの屋上がガラス窓の横に広がり、屋上設置のエアコン室外機を眺める最悪のビューとなってしまったものもありました。激怒した購入者は返金を求めて大問題となったことがあります(残念ながら建築上は問題なく返金は一切叶いませんでした…)。 プレセールの宣伝・販売方法はデベロッパーがショッピングモールなどで前述の作り込まれたイメージパースのフライヤリングやショールーム内覧がメインです。またその販売網は自社の営業マンからエージェント契約を結んだ個人・法人の仲介業者まで幅広くあります。また最大手の財閥系デベロッパーなどはわざわざ海外遠征まで設定し、近くは中国や日本、韓国、シンガポールなどの富裕層に対し販売会などを設定、すごいところは北米や欧州までも繰り返して、自社のフィリピン国内のコンドミニアムプロジェクトを売り込むのです。そこには莫大な宣伝広告費が費やされていることは容易に想像できますが、それを可能にするのも建設途中で売買代金の回収を行っていることが強みになっているでしょう。 2.支払い方法は多岐に渡る それでもフライヤーを見て、セールスマンの話を聞いて「気に入った!!今日買うぞ…!!」となった時にはどうやって購入をするのか?実はプレセールの購入者には複数の支払いオプションが用意されています。ですがこれがまたプレセールは購入しやすいと勘違いさせる落とし穴なのです。 プレセールの支払いの方法はいろいろあって選べます。例えば、即一括支払いもできますし予約金5%を先に支払い、頭金20%は竣工までの5年間で分割支払い、残り75%は竣工後決済するといったような分割支払いなどがあります(以降、記事中ではこの5%、20%、75%をベースに話します)。特にこの「頭金は分割で」というのが落とし穴でデベロッパー宣伝文句では”Payments starts as…

フィリピンにおける不動産登記簿の実態と重要性  筆者はフィリピンに関わらず不動産における最重要ポイントは「物件の所有権」だと考えています。物件の所有権が主張できるから他の投資商品と比べて不動産は安定資産であり固定資産であり得るのです。投資の利回りやキャッシュフローを考える前にそもそも法的に所有権を主張することができるかということをデューデリジェンス(DD)せずに、投資判断もできないということです。逆にこのDDを怠って「フィリピンは成長している国だから」という感覚的なセンスで投資判断を行った人が結果的に失敗した、騙された(詐欺)という結論に至っているように感じます。何故、日本で不動産投資に慣れている投資家が、フィリピンやその他の国々に投資する際にそのような基本事項が抜けてしまうのかというと、ひとえに日本という国で日本人である以上、当然に所有権は取得できるものであり、そこに重要性を感じずに日本国内の投資を完結できることが多いためです。そのような投資家が海外での投資を考えるのは、より大きなリターンを得ることを考えたとき、必然的に成熟した日本のマーケットよりもフィリピンのような新興国に大きな成長の伸びしろを感じるためです。しかしハイリターンには必ずハイリスクは付きまといます。 今回の記事では不動産投資をする前に、必ず理解しておかなければならない不動産の所有権がどのようになっているのかを解説します。所有権に関してはその他にもフィリピンにおける外国人であるが故の規制などもありますが、その辺りは外国人の土地保有に関しての記事などで解説します。 1.不動産登記簿はあるのか? 2.2〜3年かかるってホント? 3.不動産業者は理解していない?登記簿(CCT)発行の流れ 4.被害にあわないためにはどうすればいい? 1.不動産登記簿はあるのか?  まず結論から申し上げますと日本の法務局が発行している不動産登記簿に相当するものはフィリピンにもあります。CCT(Condominium Certificate of Title) というものがそれにあたります。不動産が土地などの場合はTCT(Transfer Certificate of Title)といいます。LRA(Land…

  〜目次〜 フィリピンでは現物不動産取引=中古売買 フィリピンの中古不動産市場 実は超安心な買い方👉権利売買との違い 絶対おすすめなのは現物不動産取引! まとめ フィリピンでは現物不動産取引=中古売買  現物不動産取引とは、コンドミニアムを自分で選んで購入して賃料による収入を得る投資方法ですが、契約の際に売手の権利書Condominium Certificate of Title(CCT)をもとに所有権の売買を行います。つまり平たくお伝えすると「普通の不動産売買」ということになります。今のフィリピンでは基本的に中古物件しか現物取引はありません(2021年2月時点)。  そんな現物不動産を取り扱う売買は、不動産登記簿が目の前にあって成り立つような中古売買という形になります。つまり購入者にとっては権利保全を前提に不動産所有者から健全に購入することができる手法です。何故、このような当たり前の不動産取引を冒頭からさも特別なように繰り返し強調するかと申しますと、それはフィリピンにおける「普通の不動産取引」がプレセールという新築分譲コンドミニアムの売買に限られていて、その場合に分譲元のデベロッパーから不動産登記簿CCTが購入者に移転されるまでに2~3年かかるということが常態している背景があるからです。この事実は本来、不動産取引において受け入れられざることなのです。詳細はプレセールの取引に関する記事をあげますのでそちらで詳しくご確認ください。  中古不動産(特に分譲コンドミニアム)の取引市場が流通していないために新築コンドミニアムの取引が一般化していますが、実際には入居者がいる物件を購入する「オーナーチェンジ」物件の取得ももちろん可能で、フィリピンでも賃料をすぐに得るために入居者がいる物件を選んで購入することもできます。  フィリピンにおける不動産投資として特筆して現物中古売買を紹介しているように見えますが、そもそもこの買い方が普通でありかつ不動産取引において所有権利に基づく売買取引が重要であることは、国が違っても原則として変わらないと筆者は考えています。…