March 2, 2024

アヤラランドの比初の REIT 創設、間もなく承認見込み

遅れに遅れていたREITが創設される。これにより不動産の流動性が増していくことになる。最初の一歩。

BY:MARUFUJI

伊佐治稔(アナリスト協会検定会員)監修 経済・金融・投資情報より

<アヤラランドの比初の REIT 創設、間もなく承認見込み>
2010 年の比 REIT 法発行後 10 年超でようやく始動か
アヤラランドが間もなくフィリピン初の REIT 創設企業となる見込み。アヤラランドは当初、2019 年中の REIT 発行を計画、
既に子会社デラロサ・プロパティ・デベロップメントをアヤラランド REIT 社(AREIT)へと改組した。
2019 年の REIT 創設は実現しなかったが、2020 年中に、主にマカティ市の中央ビジネス区域の高級オフィスビルなどをベー
スとした REIT を発行、フィリピン証券取引所(PSE)に上場する意向である。新型コロナ感染拡大による混乱で、発行計画ス
ケジュールは当初予定より遅れているが、7 月 8 日付けビジネスワールド紙によると、証券取引委員会(SEC)が、間もなく、発
行・登録を承認すると表明したとのことである。
アヤラランドは、2020 年 2 月 7 日、フィリピン証券取引委員会(SEC)へ REIT 売り出しの申請を行った。具体的には、アヤ
ラランド REIT 社株式約 4 億 7,864 万株(うち新株約 4,786 万株)を 1 株当たり 30.05 ペソで売り出す。最大約 2,393
万株の追加オプションが付せられており、この追加オプションがフル行使された場合の総発行額は約 150 億ペソとなる。ただし、
新株発行は 4,786 万株に過ぎず、大半は既存株式の売り出しであることから、アヤラランドが獲得する新規資本は約 14 億
4 千万ペソである。今回の対象となる不動産は、マカティ市の 24 階建てのソラリス・ワン、アヤラ・ノースエクスチェンジとマッキンリ
ー・エクスチェンジの 3 つの商業ビルであるが、今後ポートフォリオを拡大させる方針である。
なお、フィリピンでは、2010 年 2 月 9 日に不動産投資信託(REIT)法が発効となった。しかし、その後、税制や公開比率を
巡っての意見対立が続き、REIT 法成立 10 年後の現在も未だ REIT 発足に至っていない。このような状況を打破し REIT
を発足させるべく、証券取引委員会(SEC)は、2019 年 10 月に、REIT に関する最終ガイドライン草案を発表した。その最
終ガイドラインには、REIT 創出不動産企業の初年度の最低放出率を 33%に緩和することなどが盛り込まれている。PSE も
REIT 発行企業の最低払い込み資本金規制を 3 億ペソへと引き下げた。そして、1 月 20 日、SEC、BIR、財務省、PSE と
いう関係機関によって、REIT 最終ガイドライン承認署名が行われた。REIT 法成立後 10 年間の未発足状況に終止符が打
たれることが期待される。