October 3, 2023

年末コロナ拡大 フィリピンでも

フィリピンでも年末年始は一般的に帰省します。年末年始というより正しくはクリスマスですね。今日は12月24日クリスマスイブ。例年であれば多くのフィリピン人が家族単位で集合し、クリスマス前夜に祈りを捧げ翌25日に家族で1年の平和を祈ります。国民の90%以上がキリスト教徒のフィリピン人にとって1年で最も重要な日です。

だからこそ、フィリピンでも帰省による感染拡大を懸念する声は前々から上がっていました。実行再生産数は基準値となる1を順調に下回っていたところ、マニラ首都圏では20には1.15まで再上昇し、専門家の中ではコロナ感染の上昇フェーズは終了し、再度上昇に転じるといわれています。

時期が1週間ほどずれますが日本でも年末の帰省時期が近づいています。年末年始を各国がどのように乗り越えるか(あるいは超えられないのか)?注目してみましょう。

以下、NNAより抜粋

コロナ新規感染、再び拡大 4カ月ぶり、外出制限強化は否定

フィリピン国内で新型コロナウイルスの新規感染者が約4カ月ぶりに増加傾向に転じている。クリスマス期間や帰省ラッシュで人の移動が増えていることが背景にある。専門家は感染対策や外出・移動制限措置の強化を検討するよう求めているが、政府は現時点で厳格規制に戻すことはないと否定。ドゥテルテ大統領は、年末年始の外出を控えるよう国民に呼び掛けている。

フィリピン大学の調査チームは22日、国内の新型コロナ感染者1人が平均で何人に感染させるかを示す「実効再生産数」が20日時点で1.03と13日時点の0.97から上昇し、感染拡大の分岐点となる1を超えたと明らかにした。新規感染者は14~20日の週で1日当たり1,484人となり、前週の同1,367人から増加に転じた。

マニラ首都圏ではさらに状況が悪化している。実効再生産数は20日時点で1.15となり、13日時点の1.06から上昇。1日当たりの新規感染者は13~19日が428人となり、6~12日の370人から増えた。クリスマスが近づき、商業施設などで買い物する人や実家に帰省する人が増加。感染リスクが以前よりも高まっている。

フィリピン大の調査チームは、過去数カ月間続いた感染の減少傾向は終わり、感染拡大の初期段階に入っていると説明した。首都圏のほか、近隣のブラカン州やリサール州、イサベラ州、パンガシナン州、中部のレイテ州、東ネグロス州、南部の南コタバト州などで感染拡大の兆候があるという。

ただ感染拡大はまだ抑え込みが可能な水準だとも指摘。官民が連携して医療体制や感染対策、接触者追跡などを強化するべきとの見解を示した。具体的には、州をまたぐ移動制限を厳格化し、自治体ベースでの外出・移動制限も積極的に実施するよう促した。

政府は8月、感染拡大と医療体制が逼迫(ひっぱく)したことから、外出・移動制限を約2週間にわたり厳格化した。その後は再び緩和したが、新規感染者の数は同月をピークに緩やかに減少傾向に転じていた。

足元では再び感染者が増え始めているが、政府は現時点で外出・移動制限の再強化は検討していないようだ。今月下旬から来月初めまで、首都圏では厳格規制に逆戻りするとのうわさが広がったが、ロレンザーナ国防相は「全くのデマ」と一蹴。政府は来週に、制限措置の新たな区分を発表する見通しだ。

ドゥテルテ大統領は21日夜、国民に向けた演説で「(今年は)クリスマスを祝うイベントを控えよう。年が明けても皆が健康でいられることを願う」と話した。

保健省によると、感染者は22日時点で新たに1,314人確認された。累計では46万2,815人に増加している。