April 16, 2024

米大統領選 フィリピンからの見解

いよいよ投開票が集まるアメリカの大統領選挙、日本でも連日ニュースで取り上げられていますがフィリピンではどのような見解がもたれているのでしょうか?

現在のドテルテ大統領政権ではアメリカとの積極的な関わりは双方から多いとは言えず、どちらかと言えばフィリピン大統領は中国との関係に注力しているように思われています。その証拠に中国との最大の争点と言われる南シナ海の領土問題をドテルテ政権は棚上げにする代わり、コロナウイルスの治療薬やワクチンの優先的取り付けの約束を含むいくつかの経済支援を積極的に受ける姿勢を見せています。

仮にトランプ大統領が再選する場合、この現在の南シナ海の問題とフィリピンー中国関係に大きな差異はなく「現状維持」という見方が強くないようで可もなく不可もなくという印象を持っているようです。

一方でバイデン候補が当選する場合、氏が国際協調路線を掲げていることから東南アジア域内の安全保障が今以上に保たれる可能性を期待する声が多くあります。そのため、多国籍主義とみられているバイデン氏の当選へ傾向する論調が多いようです。

以下、NNAより抜粋

米大統領選、比への影響注視 国際協調なら安全保障改善も

米大統領選が3日に投票日を迎え、同日夜(日本時間4日朝)から開票が始まる。フィリピンでは選挙結果が、中国と領有権を争う南シナ海問題や国内経済にもたらす影響が注視されている。専門家らの間では東南アジア地域と距離を置いてきたトランプ大統領ではなく、国際協調路線を掲げるバイデン氏が当選すれば、域内の安全保障が改善されるとの見方が強い。

トランプ氏は2017年の大統領就任から、東南アジア地域への関与に積極的とはいえなかった。19年の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議では、中国が進出を強める南シナ海問題などが協議されたが、トランプ大統領は欠席した。フィリピンのドゥテルテ大統領は中国寄りの姿勢を取りながらも同国に国際法の順守を求めているが、米国の後押しが得られない中で対中政策は難しくなっている。

今回の大統領選でバイデン氏が当選すれば、こうした状況が好転する可能性がある。商業銀行セキュリティー・バンクのチーフエコノミスト、ダン・ロセス氏は、バイデン氏は世界全体の枠組みを重視する多国間主義の立場で知られると説明。バイデン氏が勝利した場合、米国のアジアに対する関与や地域内の協調が強まり、フィリピンに恩恵をもたらす可能性があると期待する。

アテネオ公共サービス大学院のロナルド・メンドーサ学長は、トランプ政権下で世界の主導者としての米国の立場が弱まり、中国とロシアの勢いが増したと指摘。新興国のフィリピンにとっては安全保障上の懸念が高まったと危機感を示す。国際協調や民主主義の価値、気候変動の問題などを重視する立場から、バイデン氏が勝利すればフィリピンに利点が多いとの見解を示す。

一方、トランプ氏が勝利した場合でも、フィリピンにとってマイナスにはならないとの見方もある。国際的なコンサルタント会社バワー・グループ・アジアのビクター・アンドレス・マンヒット社長は、トランプ氏が続投しても南シナ海での米国の監視は続くと予想する。ただトランプ氏の下で米中貿易戦争が続くなら、東南アジア地域のビジネスや投資への影響が拡大すると警戒する。

ドゥテルテ大統領は、南シナ海問題を棚上げする代わりに中国から経済協力を取り付けて国内の経済成長につなげてきた。フィリピン大学デリマン校のジェイミー・ナバル助教授(政治学)は「ドゥテルテ大統領は中国に傾斜したが、米国とは一定の距離を置いて協力関係を保っている」と話す。

トランプ氏の続投なら米国とフィリピンの二国間関係に大きな変化はないとみられるが、経済連携や地政学的な安全保障の強化に向けて両国の関係を再構築する必要があると指摘。一方、バイデン氏が当選して人権問題を重視する姿勢を示した場合、麻薬の取り締まり強化で超法規的殺人を実行しているドゥテルテ政権下のフィリピンとは関係が悪化する恐れがあると懸念を示した。