October 3, 2023

経済回復へインフラ整備推進 施政方針演説、コロナ対策で

NNA7月28日号より

フィリピンのドゥテルテ大統領は27日、2016年の就任以来5回目となる施政方針演説(SONA)を実施した。新型コロナウイルスで打撃を受けている経済の立て直しに向けては、政府の大規模インフラ整備計画を推進していく方針を表明。一方、外交政策では中国からワクチンを優先的に供給してもらう代わりに、同国と領有権を争う南シナ海問題の解決には消極的な姿勢を示した。

施政方針演説するドゥテルテ大統領(手前、大統領府提供)

施政方針演説するドゥテルテ大統領(手前、大統領府提供)

ドゥテルテ大統領は、会場となったマニラ首都圏ケソン市の下院本会議場にマスク姿で現れた。演説では、新型コロナで傷んだ経済を立て直す方針を強調。外出・移動制限措置が緩和されてから道路や地下鉄敷設事業などが再開されたことを挙げ、政府の大規模インフラ整備計画の推進で経済成長を後押ししていく考えを示した。

大統領は議会に対し、新型コロナ対策法第2弾の早期成立を支持するよう要請。その上で「経済活動を新型コロナ発生前と同じに戻す選択肢は現時点ではない」と述べ、感染防止と経済再開のバランスを取る必要性を強調した