June 20, 2021

電子決済の普及促進へ

フィリピンでも外出・移動制限措置が強化されると電子決済額が増加し、緩和されると減少するという増減が起きています。
未だに現金主義が強く、制度の厳格性も相まって銀行の口座を保有している人口も少なく、箪笥貯金が多くみられ、電子決済の恒常的な普及のための課題が見られます。

日本でもまだまだ高齢者や地方での普及率は低いなどの課題は多く残りますが、地方独自の電子決済制度を作成して高齢者への普及にも前進的に活動するなどして取り組んでいます。

フィリピンでの普及率を上昇させるのに大きな壁になると思われるのは、日本とは比にならない貧困層の数です。
ただ普及させようと活動を促進させても、現金への信頼が厚いフィリピンの貧困層には特に普及は難関となってくるでしょう。

今後、普及のためにどのような対策が講じられるのか注目が集まります。

以下、NNA POWER ASIAより

電子決済、感染対策に連動 制限緩和で伸び鈍化、普及へ課題

フィリピンの電子決済額の増減が、新型コロナウイルス感染対策の厳しさに連動している可能性が高いことが分かった。外出・移動制限措置が緩和され人の移動が増えると決済額の伸び率は鈍化する一方、厳しくなると決済額は増えた。現金主義が根強い同国で、コロナ収束後に電子決済をどのように普及させるかといった課題も浮上してきた。

4月までの最新データを基に、NNAが足元の変化を表す前月比で電子決済の利用額を計算した。企業間や政府間での使用が多い「ペソネット」は、3月の決済額が23.0%増の3,597億ペソ(約8,200億円)となり、コロナ以降の金額と伸び率で過去2番目の高さを記録した。少額決済で使われることが多い「インスタペイ」も18.9%増の1,926億ペソと大幅に伸びた。

3月上旬から感染が急増したことを受け、政府は3月29日から4月11日までマニラ首都圏と周辺州の制限措置を4段階で最も厳しい措置に引き上げた。厳格化される前から人の移動や企業の活動が制限され始めていたため、電子決済の利用が加速した。

4月はインスタペイが1,988億ペソと、前月に比べて3.2%増にとどまった。ペソネットも8.6%減の3,287億ペソだった。厳格措置がやや緩和された時期に当たり、政府が厳しい措置の中でも公共交通の運行を継続するなど経済活動への影響を最小限に抑えたことが要因になったとみられる。

インスタペイとペソネットは、中銀が国家リテール決済システム(NRPS)に組み込んで管理している。

コロナの感染拡大が始まった20年3月以降、電子決済は「特需」を迎えた。ほぼ全ての経済活動が止まった同年3~5月のインスタペイとペソネットの伸び率は前月比で15~50%程度と急拡大した。多くの人が外出できない中で、ネット決済の需要が高まった。

その後、外出・移動制限が緩和されたため電子決済の伸び率は低下した。20年10月~21年2月の電子決済額を前月と比べると、クリスマスで消費が急増した12月を除いてマイナスに落ち込んだほか、ほぼ横ばいで推移した。

リサール商業銀行(RCBC)のレト・ビリヤヌエバ最高イノベーション&インクルージョン責任者(CIIO)は「決済額の伸び率は外出・移動制限の変化に起因している可能性はある。ただ時期によって各地域に敷かれていた制限の厳しさが異なっていたことも考慮する必要がある」と説明する。

電子決済の利用額が増加傾向にあるのは明らかだ。新型コロナ感染拡大の前後で見ると、20年3月~21年2月の決済額は、前年同期比2.7倍の4兆5,962億ペソだった。中銀は23年までに決済の5割をデジタル化する目標を掲げている。

中銀のジョクノ総裁は「コロナの感染拡大から1年以上が経過し、消費者が電子決済の利用に慣れてきた」と述べ、来年にも目標を達成できるとの見方を示している。ただワクチン接種が進み、コロナが収束した後も利用を加速させるには、電子決済のさらなるインフラ整備などが必要になりそうだ。