October 1, 2023

北部ルソン 計画停電実施迫る?電力不足

以前、当ラボでもお伝えしました電力不足
電力の需要が高まっている事から電力エネルギーの有効活用や拡張などが必要とし、エネルギー省は年内には水準の向上を目指して拡充を進めていたようですが出だしは好調と言えません。

今回、NCR+一帯で計画停電が実施される可能性が浮上しています。
原因は発電所の想定外の停止や酷暑で電力需要が増加したことによる電力の不足。

計画停電は決定事項ではありませんが、実施されることとなるとワクチンの接種を遅れさせるわけにはいかないので慎重な判断が求められます。
依然として修理を継続中の施設もあるため、復旧作業と計画停電の計画、そして水準向上のための整備とフィリピンの電力業界は三つ巴状態に。

気軽に出歩けない以上は、酷暑を乗り切るためにもエアコンはマストアイテム。
停電が実施されれば批判は避けられないでしょう。

以下、NNA POWER ASIAより

北部ルソン、電力不足に 発電所停止、企業への影響懸念

フィリピンの北部ルソン島で電力需給が逼迫(ひっぱく)し、マニラ首都圏の周辺州では一部で計画停電が実施される可能性が出ている。発電所の想定外の停止や酷暑で電力需要が増加していることが要因だ。電力不足が長期化すれば、政府が急ピッチで進める新型コロナウイルスのワクチン接種計画や企業活動に支障が出かねない。

エネルギー省によると、ルソン島の送電網に接続されている供給可能な電力容量は2日午後1時時点で1,074万6,000キロワット、ピーク需要は1,050万5,000キロワットに上る。

停止していた発電所の一部が同日に復旧したことで、電力の供給が需要をわずかに上回り、深刻な電力不足を示す警報「レッドアラート」の発令も撤回された。ただ首都圏の周辺州では計画停電の可能性があり、予断を許さない状況が続いている。

クシ・エネルギー相は2日の会見で「発電所の予期せぬ停止などにより過去数日間で電力不足が発生している」と説明した。首都圏の周辺州で体感温度が50度を超えるなど、酷暑が続いていることも一因になっているとみられる。

発電所の稼働停止などにより供給できない電力は、2日午後4時時点で計418万7,000キロワット分に上る。発電所の稼働率引き下げが全体の53.1%、想定外の発電所の稼働停止が36.5%を占める。深刻なのは、複数の石炭火力発電所の稼働が想定外に止まったことだ。発電容量は計137万2,000キロワットに上る。

チーム・エナジーが運営するケソン州のパグビラオ発電所では、6日までボイラー管の修理が続いている。パンガシナン州のスアル発電所でも蒸気の気圧を管理するバルブに問題が発生していたが、2日に復旧作業が終わった。

GNパワーが運営するバターン州のマリベレス発電所でも、タービン2基がボイラー管の破損で停止した。1基は月内、もう1基は8月末まで再稼働できない状況だ。セム・カラカ・パワーが運営するバタンガス州のカラカ発電所では発電設備の一部に不具合が起こり、来月初めまで稼働停止を余儀なくされている。

発電所の設備改修は、新型コロナの影響で交換部品の到着や技術者の派遣が難しくなり、復旧作業が遅延している側面がある。西部パラワン沖のマランパヤガス田からガスの供給が絞られていることも、電力不足に拍車をかけている。

政府は新型コロナのワクチン接種計画を進めているが、ワクチンは種類によって冷凍庫並みの温度で保管する必要がある。電力不足が続けば安定した保管が難しくなる恐れがある。

電力供給が早期に安定するかは不透明で、企業活動にも影響が出かねない。ある日系製造業の関係者は「電力の需給バランスが崩れ、計画停電の可能性があることは把握している。もし供給量が減れば生産ラインの見直しを迫られるだろう」と話した。