April 26, 2024

中古物件売買│フィリピン不動産のプレセールおすすめできない本当の理由

 

〜目次〜

フィリピンでは現物不動産取引=中古売買

 現物不動産取引とは、コンドミニアムを自分で選んで購入して賃料による収入を得る投資方法ですが、契約の際に売手の権利書Condominium Certificate of Title(CCT)をもとに所有権の売買を行います。つまり平たくお伝えすると「普通の不動産売買」ということになります。今のフィリピンでは基本的に中古物件しか現物取引はありません(2021年2月時点)。

 そんな現物不動産を取り扱う売買は、不動産登記簿が目の前にあって成り立つような中古売買という形になります。つまり購入者にとっては権利保全を前提に不動産所有者から健全に購入することができる手法です。何故、このような当たり前の不動産取引を冒頭からさも特別なように繰り返し強調するかと申しますと、それはフィリピンにおける「普通の不動産取引」がプレセールという新築分譲コンドミニアムの売買に限られていて、その場合に分譲元のデベロッパーから不動産登記簿CCTが購入者に移転されるまでに2~3年かかるということが常態している背景があるからです。この事実は本来、不動産取引において受け入れられざることなのです。詳細はプレセールの取引に関する記事をあげますのでそちらで詳しくご確認ください。

 中古不動産(特に分譲コンドミニアム)の取引市場が流通していないために新築コンドミニアムの取引が一般化していますが、実際には入居者がいる物件を購入する「オーナーチェンジ」物件の取得ももちろん可能で、フィリピンでも賃料をすぐに得るために入居者がいる物件を選んで購入することもできます。

 フィリピンにおける不動産投資として特筆して現物中古売買を紹介しているように見えますが、そもそもこの買い方が普通でありかつ不動産取引において所有権利に基づく売買取引が重要であることは、国が違っても原則として変わらないと筆者は考えています。

 中古物件の購入の流れとしては、物件を所有する売主Aさんがいて所有権(CCTで提示)を持っている。だからBさんは信用して真正取引を行うことができるということになります。

 しかし、長々と説明せずとも、本来これが不動産取引のお決まりです。日本でも通常購入者が、あるいは少なくとも仲介業者が物件のデューデリジェンス(DD)として法務局で登記簿記載の所有者(甲区)とその他の重要事項(抵当など、乙区)を確認して物件の購入にあたります。それらを怠った場合に、地面士詐欺などといった悲惨な事件が発生した事例もあります。

 でも何故か、不動産投資の舞台がフィリピンになると”お決まり”を不動産投資家が忘れがちになるのです。

フィリピンの中古不動産市場

 通常フィリピンを始めとする東南アジアで不動産に投資するとなると、土地の所有規制などの理由で分譲区分スタイルのコンドミニアムに限られますが、もし日本の不動産投資家が何も知らず物件探しを始めると必ず新築のプレセール不動産にたどりつきます。それは販売元となるデベロッパーが財閥を含む超巨大企業ばかりで、相当な広告費をかけて自社のコンドミニアム販売を行っているためです。大手のデベロッパーは「ワールドツアー」などと銘打って、日本、韓国、台湾、中国さらには太平洋を越え北米エリアなどを回るロードショーを展開。各国の販売エージェントと販売契約を結び、現地での販売イベントをコーディネイトさせているのです。

 一方で中古販売を行う多くは、もちろん一般の不動産所有者で一個人であるケースがほとんどです。自分の販売メディアなどもちろん持ち合わせておらず、無料のポータルサイトや仲介業者に販売を依頼するわけですが、もちろん広告費なんて微々たるものです。新規参入を考える不動産投資家が一般的な窓口から検討した場合に、即プレセールにたどり着いてしまうのはそのためなのです。

中古物件は超安心な買い方
⇨新築権利売買(プレセール)との違い

まず初めに中古物件取引だからこその安心ポイントを以下に列挙します。

      • 物件
      • 権利書
      • オーナー(売主)

 関連動画では3種の神器などと説明していますが、実際、最重要ポイントです。プレセール物件の場合は物件は「竣工前」、権利書は登記前という状況で実際にこの3点セットの中でそろっているのは売主(デベロッパー)のみということになります。

では、具体的な権利売買(新築プレセール)との違いを見てみましょう。
まず、プレセールとは大まかにいうと「新築物件の購入」のことになります。そして購入(支払い)方法がいくつか在る点が人気です。デベロッパーや仲介業者はあたかもこれを、「竣工前から分割して物件の支払いができる」という口調で宣伝してきます。

 ですがプレセールの実態は、竣工前の新築物件の (フライヤーなどに掲載された) イメージ図を見て、5年後・10年後に竣工する物件を購入することになります。つまり、神器の1つ目がないんです。そこに存在しないものに投資資金を導入するということになります。こんなことはまっとうな投資家であれば以下に馬鹿げたことであるか、理解するまでもありません。5~10年間、投資資金を塩漬けするために竣工前の物件を買ってくれと言っているようなものです。

 さらに竣工が遅れたり、建設が中止になる可能性も十分にあり得ます。気に入った物件や人気の物件は早めに抑えるべきですがなんでも「新しい」ものが良い訳ではありません。

 さらにプレセールの場合、竣工前に不動産を売却(転売)したくなった時に売却できない訳ではない(らしい)ですが、その物件があなたのものだと公的に証明することができません。これは二つ目のポイントの権利書(CCT)がないという点に由来します。

 プレセールの場合、通常、権利書は竣工後物件の受け渡しがされても2〜3年は手元に来ません。こちらも動画にまとめていますので是非参考にしていただきたいのですが、つまり「物件の竣工時にデベロッパーから物件を購入する権利」を持っているに過ぎないのです。この権利はデベロッパーとのContract to Sellという契約書で保証されているのみです。

 こういう話をしていると物件購入者からご相談を受けることが多いのですが、プレセールの購入契約の際に転売についてお客様がデベロッパーさんに問い合わせたところ、竣工前でも物件の転売は可能だと説明をされていることが多いようです。

 ここで1度、どうしても竣工前、CCTがない状況でも転売したいというご自身の主観を消して想像してみてください。

 Aさん(日本人)がプレセールで不動産を購入しました。しかし、何らかの事情が発生したため転売を行うことに決めました。プレセールで購入したため、もちろんCCTはまだ手元にありません(それどころか竣工前)。

 そこで発信されるAさんの物件情報は、「今はまだ権利書がありませんが、私の物件なのは確かなんです。デベロッパーと私の間の売買契約書はあります。私の物件を購入しませんか?」になります。ですがあくまでAさんがデベロッパーから物件を買う権利を示しているだけの状態で、見込み購入者からすると「だったら私もデベロッパーから買う」となりかねません。

 さらに障壁になってくることがあります。Aさんが日本人を相手に日本語で物件の紹介するように、購入希望者がどこの国の方であろうと、母国語と同じコミュニケーションレベルで説明ができるかとなると大きな疑問です。Aさんが多言語で中国人や欧米の方に話を持ちかけるのとでは捉え方が異なってしまうのが現状です。

 実は、アメリカやフィリピンでは商習慣として権利提示をする・してもらうことが当然ながら重要なDDと考えられており、不動産購入のような大きな投資の場合は必須と考えられます。契約の中で仮にお互い知った仲だとしても「慣れあい」を求めることはありません。

なので、Aさんが先述のような話をどんなに流暢な英語で話したとしても、相手からすると「そんな根拠のない話はいいから、とにかく権利書を見せて欲しい。」と、思われてしまうでしょう。

 冒頭のデベロッパーが竣工前、CCT発行前でも転売できると言った、というのはあくまでデベロッパーが”テクニカルに”できなくはないと言っている意味合いで、筆者的には「それを買いたい人間がいるのか?」というビッグクエスチョンを投げかけているわけです。さらに申し上げると、デベロッパーの営業マンが何とかして売り切りたいためにさも流動性があるようにその場しのぎの回答をしているだけです。そのような所有権を前提としない転売に対する購入需要はほぼないでしょう。

 購入者希望者側からすると、どこの誰かも分からない日本人が持っているフィリピンの不動産で、本人のものだという証拠(権利書CCT)も見せてくれない…。怖いですよね??

これらの理由を考えたときに筆者は絶対的に中古不動産の購入をお勧めしています。現物不動産なら所有権は明確です。

絶対おすすめなのは中古不動産取引!

 現物取引の優位性、というよりも権利転売、プレセール購入のリスクが際立つためそちらの解説が長くなりがちですが、最後に現物不動産取引の魅力をまとめてお知らせします。要点は以下のポイントです。

      • 待ち時間なし
      • 即収益化
      • プレセールよりも安い
      • なのにプレセールより収益化が早い‼︎(大事なことなので2回)
      • 待ち時間なし
  • 待ち時間なし

プレセールの場合は購入から竣工までに相当数の期間が開きます。しかし、現物物件は既に竣工していますし売り主のCCTも確認できます。待ち時間は限りなく0です。

  • 即収益化

 なぜ、不動産投資をするのか?目的は様々ですが簡単に言ってしまえば賃料を得るためです。利益を得るために投資をするはずです。現物不動産なら入居者様が既にいらっしゃるケースもありますし、その物件を購入すると、購入した日から賃料はあなたのものです。

 それなら利益が発生するまで待ち時間(竣工〜入居者確定までの期間)があり、投資の見通しもつけられないプレセール・権利売買よりも現物取引で中古の不動産の購入を行うべきなのは明白です。

  • プレセールより安い

 現在プレセールの販売価格は絶賛爆増中です。ですが正直に申し上げて、根拠なくただ、売主(デベロッパー)がそうしたいから価格を上げています。ですが実際の不動産価格というものは賃料に紐づきます(動画参照)。中古不動産は入居者がいるため賃料も明白で、収益還元法で賃料相場における物件価格も予想が立てやすく、プレセールのようなデベロッパーの希望する販売価格にただごり押しされることもありません。

 もちろん安く買うからこそ利回り良しです。不動産投資を成功させる大きな要因はとにかく安く取得すること。賃料が決まっているなら安い物件を購入する方が断然投資利回りの底上げにつながります。

  • なのにプレセールより収益化が早い‼︎

大切なことなので2度書いておきました。投資家ならば、収益化が早くて利回りが大きい方を選びますよね?これ以上書くとくどくなりそうなのでここまでにしておきます^^

 

まとめ

 ここまで読んでいただければ、何故、筆者が現物中古不動産取引にこだわるのか、巷で販売されているプレセール案件がリスクの高い商品であることが理解いただけたかと思います。海外不動産投資、特にフィリピンのような新興国で投資を行う場合、通常の不動産投資に加えカントリーリスク等が大きく影響を及ぼす可能性がある一方で、正しい情報をもとに投資していけば大きなリターンを先進国以上に得ることが可能な投資であるといえます。

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筆者:株式会社Assetters 代表取締役 江副元統(エゾエ モトツネ)

経歴

・広島大学医学部保健学科卒業、元理学療法士
・福岡市内の病院に勤務するも、漠然と業務にあたる日々に疑問を持ち2年半で退職
・「英語が喋られれば世の中、何とかなる」という思いで2013年からカナダへ語学留学
・いろいろな国、人種の人々交流を深める。渡航半年でTOEIC800点取得
・不動産販売会社に就職、フィリピン担当となり2014年からフィリピン現地在住
・不動産の竣工引き渡し件数、約1000室
・2017年~現地の不動産管理会社へヘッドハント
・2019年12月、フィリピン不動産投資の正しい普及活動を目的に株式会社Assetters設立
・日本国内でフィリピン不動産の周知活動に注力するため8年ぶりに帰国、日本に在住始める

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